厚生労働省は11月8日、令和2年「転職者実態調査」の結果を公表しました。
「転職者実態調査」は、転職者の採用状況、就業意識等の実態を把握することを目的としています。今回の調査は、5人以上の常用労働者を雇用する事業所から約17,000事業所およびそこで働く転職者から約10,000人を無作為抽出し、令和2年10月1日現在の状況について実施したものです。
●現在の勤め先に満足な転職者は、不満足な転職者を大幅に上回る
転職者の現在の勤務先における満足度については、「満足」「やや満足」とした割合の合計は53.4%、「不満」「やや不満」の合計は11.4%で、その差で表す「満足度指数」は、「職業生活全体」で42.0ポイントとなっています。
また、「職業生活全体」を事業所規模別にみると、事業所規模が大きいほどポイントが高く、満足度項目ごとにみると、すべての項目で「満足」が「不満足」を上回っています。特に、「仕事内容・職種」が最も高く、60.5ポイントでした。
●離職理由は「労働条件」、転職先を選んだ理由は「仕事内容・職種」
転職者が直前の勤め先を離職した主な理由は、「自己都合」が76.6%と最も高くなっています。そして「自己都合」による離職理由(3つまでの複数回答)は、「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」が28.2%で最も高く、次いで「満足のいく仕事内容でなかったから」が26.0%、「賃金が低かったから」が23.8%となっています。
また、転職者が現在の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答)は、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が41.0%で最も高く、次いで「自分の技能・能力が活かせるから」が36.0%、「労働条件(賃金以外)がよいから」が26.0%となっています。
●事業所による転職者の募集方法と、転職者による転職活動の方法
転職者がいる事業所の転職者の募集方法(複数回答)は、「ハローワーク等の公的機関」とする事業所割合が最も高く57.3%で、次いで「求人サイト・求人情報専門誌、新聞、チラシ等」が43.2%、「縁故(知人、友人等)」が27.6%となっています。
一方、転職者がどのような方法で転職活動を行ったか(複数回答)をみると、「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」が39.4%と最も高く、次いで「ハローワーク等の公的機関」が34.3%、「縁故(知人、友人等)」が26.8%となっています。
~調査結果を見て~
転職者が満足する要因は、労働条件が重要なのはもちろんですが、「仕事の内容・職種」と「自分の技能・能力が生かせるから」が大きいことが注目すべき点となります。
今後の求人の内容については、仕事の内容や、必要なスキル、資格などより明確に伝えていくことが、より良い採用活動と従業員の定着につながるのではないでしょうか。
詳細はこちらをご覧下さい。
【厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」】